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BVLGARI : KALEIDOS展  vol.1

今回訪れたのは、日本では久しぶりとなる大規模展覧会「ブルガリ・カレイドス」展。
会場は六本木・国立新美術館。ブルガリ・ヘリテージ・コレクションおよび個人コレクションから選び抜かれた約350点のジュエリーが集まり、過去最大規模とも言われるスケールで開催されました。
※本展は現在終了しています。

BVLGARI : KALEIDOS展  vol.1

【BVLGARI KALEIDOS: COLORS,CULTURES AND CRAFTS Book & Leaflet】

展覧会タイトルの「カレイドス」は、「美しい(カロス)」と「形態(エイドス)」を意味するギリシャ語に由来します。その名の通り、展示空間は、メゾンの始まりから現在に至るまでの物語を、色彩と造形を通して辿る旅のように構成されていました。

会場全体を包み込むアーチ状の空間デザインは、本展のために設計された「イチョウの葉のフォルム」をモチーフとしています。ローマのカラカラ浴場の床タイルに見られる幾何学模様と、東京の象徴でもあるイチョウのイメージを重ね合わせ、日本とイタリア、古代と現代を結びつける空間構成となっていました。

BVLGARI : KALEIDOS展  vol.1

【Exhibition map】

展示は第一章、「色彩の科学」。原色をテーマとした空間から始まります。
ルビーやサファイアを中心とした力強い色彩が視界いっぱいに広がり、その迫力に思わず足を止めてしまいます。

BVLGARI : KALEIDOS展  vol.1

【Necklace in gold with Rubies and Diamonds, 1993.】

BVLGARI : KALEIDOS展  vol.1

【Necklace in gold and platinum with Rubies and Diamonds, 1968. 】

赤・黄・青という三原色を辿る構成のなかで、とりわけ青は、ブルガリが好んで用いてきた象徴的な色です。力強さとしなやかさを同時に宿したジュエリーの数々は、この青の使い方によって、ブランドならではの存在感を物語っています。

BVLGARI : KALEIDOS展  vol.1

【Necklace in Platinum with Sapphires and Diamonds, 1955.】

フランスの化学者シュヴルールが提唱した「クロマティック・サークル(色相環)」に基づき、補色関係にある色彩同士が響き合う構成は、ブルガリの色彩哲学を象徴するものです。対比によって際立つ色、重なり合うことで深みを増す色。その科学的理論と感性の融合こそが、ブルガリならではの大胆な色使いを支えています。

BVLGARI : KALEIDOS展  vol.1

【Convertible brooches-earrings・Necklace in gold and platinum with turquoises, Rubies and Diamonds, 1957.】

アメシスト、エメラルド、シトリンといった色石は、それぞれが強い個性を放ちながらも、互いを引き立て合い、視覚的な調和と緊張感を同時に生み出しています。この空間では宝石の「価値」や「格」を超え、色そのものの美しさを信じ抜いてきたブルガリの姿勢が、最も端的に表れていました。

BVLGARI : KALEIDOS展  vol.1

【Necklace in gold with Emerald, Amethysts, Rubies and Diamonds, 1989.】

この鮮烈な色彩表現を、時代を超えて象徴する存在として欠かせないのが、女優エリザベス・テイラーです。
比類なき美貌とカリスマ性を備えた彼女は、ブルガリの色石ジュエリーを愛し、その大胆な色使いを自身のスタイルとして昇華させました。

BVLGARI : KALEIDOS展  vol.1

【Elizabeth Taylor】

ブルガリのジュエリーには、宝石の価値や格式を超え、「どれほど美しく、唯一無二であるか」を追求する意志が一貫して流れています。色の組み合わせや配置には一切の妥協がなく、その大胆さこそが、ブルガリを“色彩の伝道師”と呼ばせる理由なのでしょう。

ここまで徹底して色を思想として扱い続けてきたメゾンは、決して多くありません。その独自性が、私たちが日々向き合うジュエリーの価値を改めて問い直すきっかけになると感じ、本展を訪れました。

その先に広がる色彩の物語は、vol.2(第二章)へと続いていきます。