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Cartier 『INTO THE WILD』

今回は、カルティエを代表するコレクションのひとつであるパンテールの歴史やサヴォワフェールをひも解く没入型イベント「INTO THE WILD」の体験レポートと、パンテールを語る上で欠かせない人物、ジャンヌ・トゥーサンについてのお話です。

※Cartier の没入型イベント “INTO THE WILD” は現在終了しています。

Cartier : INTO THE WILD

入口からすでに高貴な気配をまとった Cartier 銀座2丁目ブティック。
案内されて中へ足を踏み入れると、まず目に飛び込んできたのは、パンテールをイメージした美しいシャンデリアでした。「シャンデリアの影がパンテールの模様になっているんですよ」とスタッフの方が教えてくださり、光と影の洗練されたディテールに思わず息を呑みます。

Cartier : INTO THE WILD

その先へ進むと、パンテールの象徴である豹が、ふっと画面の中で動き出し、まるで来場者を静かに追いかけてくるよう。 続いて現れるのは、パンテールおよびカルティエの歴史を辿るロードマップ、そしてジャンヌ・トゥーサンのデスクを再現した空間。インテリアの配置から照明の明度まで、すべてが完璧なプロポーションで仕上げられていました。

Cartier : INTO THE WILD

さらに奥へ進むと、ひとつのパンテールが生まれるまでに関わる、デザイナーや職人たち。プロフェッショナルたちによる工程が丁寧に紹介されます。
散りばめられたダイヤモンドは、サイズも輝きも“そのパンテールのための一粒”として選び抜かれたもの。
カルティエ独自の厳格な選定基準に、妥協という言葉は存在しません。特に豹の目に使われるエメラルドは重要で、ひとつの光を決めるまでに長い時間が費やされることもあるのだとか。

Cartier : INTO THE WILD

動物のラインがこれほどまでに“生きて”見えるのは、素材そのものの美しさだけではなく、ジャンヌ・トゥーサンの美学を受け継いだ職人たちが、豹の筋肉の動きまで考察して造形しているから。最終形態としてのパンテールは、その動きを永遠に留めた存在のように感じます。

Cartier : INTO THE WILD

今回のイベントでは、メゾン初のアニメ作品『ラ・パンテール ドゥ カルティエ』も上映されていました。
浦沢直樹氏とのコラボレーションにより、構想3年以上をかけて生まれた作品。舞台は約100年前のパリ。
自由を求め、自分の内側にある美しさを見つけていくジャンヌ・トゥーサンの物語です。

パンテールの背に乗って主人公が世界を駆け巡り、さまざまな色彩を放つ宝石たちと出会うシーン。その一瞬一瞬に、カルティエが創業以来、世界中を旅して多様な宝石と出会ってきた歴史の息づかいを感じました。

Cartier : INTO THE WILD

Cartier Magazine Vol.35 Indian gem stone

“日本ならではの解釈”である、ジャンルを超えた才能が集まって生まれた唯一無二の作品を、ブティックの優雅なソファに身を沈めながら鑑賞するひとときは、まさに贅沢そのものでした。

Cartier : INTO THE WILD

今回のイベントをきっかけに、パンテールの生みの親であるジャンヌ・トゥーサンについて、改めて掘り下げてみたいと思いました。彼女は作品の中だけでなく、普段の暮らしの中でもパンサーへの愛情を隠さず、自宅にはパンサーモチーフの家具や装飾、毛皮が並び、まるで自身の美学をそのまま形にした“もうひとつのアトリエ”のようだったと言われています。

Cartier : INTO THE WILD

ジャンヌを語るうえで、しばしば比較される存在として挙げられるのが彼女の友人でもある、ココ・シャネルです。二人の共通点は、抜群のファッションセンスによって女性としての地位をつかみ取ったこと。普段の装いに宿る情熱や美意識が周囲に認められ、やがて彼女たちのスタイルは真似したくなるものへと昇華していきました。

Cartier : INTO THE WILD

時代は戦争も避けられず多くの男性デザイナーたちが戦地に行く中、ジャンヌはカルティエの創造を守り続けたほぼ唯一の指揮官でした。もし彼女のジュエリーへの揺るぎない情熱がなければ、パンテールは今のような姿で現代に残らなかったかもしれません。

パンテールは彼女の生き方そのものといえます。ジャンヌ・トゥーサンという一人の女性の美学が、今もなおカルティエの奥深くで息づいていることを、今回のイベントを通して改めて感じました。

Cartier : INTO THE WILD

Cartier Catalog

当店ではパンテールのお取り扱いは多くありませんが、カルティエを語るうえで欠かせない他のコレクションにも、同じように大切な想いと敬意を持って向き合っています。ジュエリー1つひとつに宿る物語や時間を、これからも丁寧にお届けできればと思います。

Cartier : INTO THE WILD

Maillon Panthere Diamond ring