1837年、アメリカ・ニューヨークで創業したティファニー。
現在では「ティファニー」と聞けば、まず思い浮かぶのは、あの清らかで優美な“ティファニーブルー”ではないでしょうか。しかし、その印象的な色が誕生したのは、ブランドの創業と同時ではありません。
今回は、ティファニーブルーがどのように生まれ、ブランドの象徴となっていったのかを、当店でお取り扱いした品々とともにご紹介いたします。

ティファニーブルーの物語は、19世紀半ばにさかのぼります。
創業者チャールズ・ルイス・ティファニーが、1845年に発刊したジュエリーカタログ『ブルーブック(Blue Book)』の表紙に、この色を選んだことがきっかけでした。ブルーブックは当時のアメリカで最高峰のハイジュエリーを紹介するカタログであり、
そこに採用されたのが robin’s-egg blue(コマドリの卵の色) と呼ばれる淡く澄んだ水色。
春の訪れを告げる小鳥・コマドリの卵の色に由来し、「新しい始まり」や「希望」の象徴とも言われています。

pixabay.com SidLitke “robin’s-egg”
当時の19世紀半ばは、エメラルドやターコイズといった青緑系の宝石が流行していた時代でもありました。
そのため、現在の「ティファニーブルー」がややエメラルド寄りの色合いへと変化していったのも、
当時の美意識や宝石文化の影響を受けた自然な流れだったのかもしれません。

2000s Frank Gehry Orchid Drop 750 Yellow Gold Necklace
素材へのこだわりと、色の哲学
ティファニーは創業当初から、最高品質のダイヤモンド、18Kゴールド、そしてスターリングシルバーのジュエリーを取り扱ってきました。

1980s Circles Flower 750 Yellow Gold Ring with Diamond (Item No. 296319)
チャールズ・ティファニーは “キング・オブ・ダイヤモンド” と称され、透明度と輝きに徹底的にこだわった独自のカッティング基準を確立。また、1851年にはアメリカ企業として初めて英国の純銀基準「スターリングシルバー規格」を採用したことでも知られています。

1990s Equestrian Weave Silver925 Cuff Bangle (Item No. 282277)
そうした職人たちの手仕事や素材への敬意は、やがてティファニーというブランド全体の美の哲学へと受け継がれていきます。それは、ジュエリーという小さな箱の中に、誰かの特別な瞬間を静かに包み込むような、そんな想いの色。
ティファニーブルーには、そうしたブランドの哲学が静かに息づいています。
シンボルカラーとしての確立
1998年、ティファニーブルーは正式に商標登録され、パントン社によって「1837 Blue」として標準化されました。この“1837”という数字は、ティファニー創業の年を意味しています。

1997s “1837” 18K Yellow Gold Ring
この唯一無二のブルーと白いサテンリボンの組み合わせは、「最高の贈り物」や「永遠の約束」の象徴として、今も世界中の人々の心を掴み続けています。
時を超えて受け継がれるティファニーブルーは、単なるブランドカラーではなく、チャールズ・ティファニーが掲げた“美と誠実の哲学”そのものなのです。

当店でお取り扱いしているヴィンテージティファニーのジュエリーやアクセサリーにも、
それぞれの時代を生きた人々の想いやストーリーが宿っています。
手に取るたびに感じるのは、デザインの美しさだけでなく、そこに込められた「誰かが大切にしてきた時間」への敬意です。

1990s Woven Braided 585 Yellow Gold Bracelet
ティファニーというブランドが守り続けてきたクラフツマンシップ、そしてその普遍的なデザインへの尊敬を胸に、私たちは“新しい持ち主へとつなぐ”という想いで、今後も変わらず一点一点を丁寧に扱っていきたいと思います。

Tiffany&Co. “1837 Blue”