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Watch Repair School 01 近江時計眼鏡宝飾専門学校

いつも江口洋品店・江口時計店 松濤をご利用頂き有難う御座います。
当店の吉祥寺の店舗が松濤に移転をしてから早、一年。沢山の方々に支えて頂きながら2025年1月で9周年を迎えさせて頂く事が出来ました。支えて下さっている皆様に心から御礼申し上げます。

今回のコラムは、私達の時計販売・時計修理にとってとても大切にしている事業の一つである腕時計修理について。今まであまり触れた事の無い部分にフォーカスした記事を書きたいと思います。

技術者を志す若い力と、技術を継承しようと奮闘する時計修理学校の取材レポートです。

皆様にとって、時計が正確に動く事は当たり前の事だと思いますし、私達も基準を設けて、日々修理に当たっております。その技術は時計業界にとって常に縁の下の力持ちであり、掛け替えの無い存在です。今回取材の機会を頂けた事は江口時計店として取材先の学校にオールドムーブメントを教材として提供させて頂いており、各学校との関りを大切にしたいと言う思いから実現した物です。

新作の製造工程ではオートメーション化が進み、技術よりもエンジニアリングの方が重要視される様になってきていると言うお話もありますが、私達アンティーク、ヴィンテージウォッチを取り扱う者として、オールドムーブメントの再生や、パーツの確保はとても大切なミッションであり、弊社も日々試行錯誤をしながら修理に当たっております。

業界に対しての愛と問題意識の高い、Chronos日本版編集長の広田さん、HODINKEEJAPAN編集長関口さん、朝日新聞後藤さんと共に、取材に行って参りました。

Watch Repair School 01 近江時計眼鏡宝飾専門学校

まず最初に訪れたのは

Watch Repair School 01 近江時計眼鏡宝飾専門学校

近江時計眼鏡宝飾専門学校
LINK→ホームページ
LINK→INSTAGRAM @oumitokeigakkou
場所は滋賀県にある近江神宮と言う時を司る神宮敷地内にある専門学校。
参道の入り口には時計業界に関わる企業の名前も連なり、その場所が時計業界にとってとても重要で、継承されていく必要性を皆で支えている事が伝わって来ます。

Watch Repair School 01 近江時計眼鏡宝飾専門学校
Watch Repair School 01 近江時計眼鏡宝飾専門学校

毎年6月10日には漏刻祭と言って、天智10年(西暦671年)に天智天皇が近江大津京に水時計を設置し、時の概念を知るきっかけを作った場所。厳かな空気の中、四代目宮司の網谷さんにお話を伺いました。

Watch Repair School 01 近江時計眼鏡宝飾専門学校

なぜこの地に専門学校を作る事になったのか?
時の記念日制定50年を記念して昭和44年に学校を開設したのですが、時を司る神宮と言う事もあり、高い技術を持った、将来有望な技術者を育成していく事を目的として設立されました。当時は昭和天皇もご参拝の際にはお立ちより下さり、激励のお言葉を下さったそうです。

Watch Repair School 01 近江時計眼鏡宝飾専門学校

場所を学校に移し校内の視察へ
校内には昔懐かしの掛時計や、時計を修理する為の工具が沢山あり、学生さん達は3年間と言う期間を経てそれぞれの望む道に進むことになります。一年生はクロック。

Watch Repair School 01 近江時計眼鏡宝飾専門学校

特に掛時計などの大きな歯車を有する時計を直し、学年が上がると腕時計の修理を学びます。時計と言う修理をしながら長年使える物を学ぶ上で、クロックに触れる事は、"基本の基"と言う考え方にとても共感致しました。

ただ時計をばらして組み上げる事だけでは無く、時計旋盤を使用した修理の工程では、一からパーツ制作を学ぶなど、長く時計を使っていく上で欠かせない技術を10代の方を初め、一度社会人を経験された生徒さんも一緒になって取り組まれており、取材日当日は技能検定の為にパーツ制作に励む生徒さん達の真剣な眼差しがとても印象的でした。

Watch Repair School 01 近江時計眼鏡宝飾専門学校
Watch Repair School 01 近江時計眼鏡宝飾専門学校

先生達のマニアックぶりも面白く、時計を修理する為の工具が大好きな熊渕先生や、個人として「現代の名工」と言う日本で数名しかいない技術をお持ちの染矢先生など、自分が技術者を志すならこんな人達に教わりたいと言う気持ちになる。そんな環境が長く続く場所でした。

今回の取材を通じて改めて修理技術者を志す人達や、その環境を作って下さっている先生方と、手を取り合って環境を作り続ける事の必要性を感じる良い機会と成りました。

Watch Repair School 01 近江時計眼鏡宝飾専門学校

後編は LINK → ヒコ・みずのジュエリーカレッジ大阪校 の取材記事です。