オーバーホール/ヴァシュロン・コンスタンタン/SS/CAL.P454.5B/Vacheron Constantin/Overhaul
いつも当店をご利用いただきまして誠にありがとうございます。
月日が経つのは早いもので、今年も残りわずかですね、、、、
吉祥寺の街にも綺麗なイルミネーションが彩られる頃となりました。
寒くなってきたので皆様、体調管理にお気をつけて下さいませ。
今回はヴァシュロン・コンスタンタンCAL.P454/5Bの作業風景です。
見た目はとてもシンプルな装いの3針の時計です。
付ける人を選ばない普遍的なデザインですね。



ムーブメント大きくて見ごたえがありとてもかっこよく美しいです、、、
特徴的なクビレている鉄パーツは「スワンネック緩急針」といい、白鳥の様な優美な曲線から由来しています。
直線的(機械堅牢)な美しさと曲線的(優美)な美しさの対比が印象的です。



ケースからムーブメントを取り出し、針を外します。

この時計は、外的温度変化・腕の動きによる時計自体の姿勢変化による精度を(5姿勢)均一になる様に調整が施されています。
この調整も当時の調整師が数日間かけて調整・検査を行っていたと思います。
手がかかっていますよね、、、、

秒針が取り付けれている歯車部分です。
汚れていますね。

不具合がないか確認しながら分解していきます。

汚れ・ゴミはありますが、全体的に綺麗な状態です。
しかしネジが少しサビていて気になるので、サビ取りして磨きます。

かなり骨の折れる作業です、、、、

だいぶ目立たなくなりました。
ついでに他のネジも磨いておきます。


引き続きばらしていき、汚れがこびりついている所は刷毛で手洗いをします。

特に不具合が無くて一安心です。
超音波洗浄機で洗浄します。
超音波洗浄機は以前の記事でご紹介した設備です。
こちらもご興味あればご一読下さい。
時計修理設備紹介/ Watch Repair Equipment Introduction.


洗浄が完了したので、組み立て注油していきます。

パーツが大きいので組みやすいです。


機械部の組立が完了したら、精度調整を行います。


調整が完了したら、文字盤を取り付けて針を付けます。

ケーシング後1週間ランニングテストを行い、問題がなければ完了です。


この個体は約70年前の時計ですが、コンディションが良く大事に使用されていたと感じます。
先述した通り、大きく見ごたえのあるムーブメントです。
歯車に沿って綺麗な曲線に成形され仕上げられた受けの面取り・ルビーが入っている穴の面取り・歯車のスポークの仕上げ・磨き上げられた鉄パーツ・メリハリのあるコートド・ジュネーブ装飾(ストライプ模様に見える仕上げの事)・銀鱗ようなペルラージュ装飾、、、ここまで綺麗に仕上げられていてます。
裏蓋がシースルーバックではないので、普段から見えないのが惜しいほどです、、、
個人的には凄く好きなムーブメントです。
ヴァシュロン・コンスタンタン手巻きオーバーホール ¥45,000~+TAX(部品代別途請求)
皆様の時計修理お待ちしております。