こんにちは。時計技師の永田です。
おかげさまで修理依頼を数多く頂いており、久しぶりの更新となりました。
いつも当店をご利用頂き誠にありがとうございます。
今回はカルティエ18kバックルの修理についてです。
バックルネジ製作/カルティエ/Buckle screw for Cartier Deployant Clasp/18kYG
タンク同様にカルティエの発明品として知られる大変貴重なプロダクトですので、月に数件は補修作業をご依頼頂く事例です。
ベルトと18kバックルを繋げている部分は長い棒ネジで留まっています。
バックルネジ部・棒ネジ部のどちらも破損していてネジ締めができない状態になっていました、、、、
棒ネジは単品で売っていないので18k丸棒から製作します。
元々の棒ネジに近い径の18k丸棒を使用します。
ネジ部は適切な径に合ってないとねじ切りができないので、旋盤で切削していきます。
少しずつ切削しながら径を合わせていきます。
ネジ切りはダイス(雄ネジ)と呼ばれる工具を使用します。
棒ネジの方はこれで完了です。
バックルネジ部は破損していて、そのままネジ切りをしても合わないので、棒ネジ径に合わせたパイプを製作・取り付けてロー付け(溶接)を施した後ネジ切りをします。
径の太いネジを製作してその径に合わせてネジ切りをした方が作業的に早いですが、できるだけオリジナルに近い物を目指してる為、このようなかたちの修理にしております。
まずは18K棒をドリルで穴開けをします。
長さが適切か確認して切断します。
バックルネジ穴をパイプが入る大きさに広げ、ロー付けをします。
バックルの方はタップ(雌ネジ)と呼ばれる工具でねじ切りをします。
完成です。
18kはステンレスにくらべると柔らかい素材なので、ネジが破損しているものが多いです、、、
バックルネジの他に、18kタンクルイのケース横のネジなども製作可能です。
ネジの製作については以前の記事をご覧ください。
外装パーツや内部パーツが無くお困りの方、一度ご相談ください。
できる限りご対応させていただきたいと思っております。
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皆様の修理お待ちしております。