いつも当店をご利用頂き誠にありがとうございます。
こんにちは。時計技師の永田です。
3度目の緊急事態宣言が発出されるみたいですね、、、良くなることを願うばかりです。
皆さま引き続き感染予防対策をしっかり行っていただき、ご体調崩されないようお気を付けください。
今回はピアジェのオーバーホールです。
キャリバーは9P2です。
タンク型のケースで樹皮を意味する「Bark / バーク」仕上が施されています。
通常の金ケースより個性の際立つマチエールです。
初期状態の精度を確認後、ケースからムーブメントを出して文字盤・針を取り外します。
9P2も以前UPしたムーブメント同様、なかなかの薄さです。
ムーブを取り出したら不具合がないか確認しながら分解していきます。
香箱受けを外すと、巻真がこすれる部分の真鍮が露出(摩耗)していました。
巻真にガタ付きはなく、そこまで摩耗がひどい訳ではありませんが、このまま使用し続けると受け・地板が削れていき巻真(リューズ)が抜けるなど不具合を起こす可能性があります。
摩耗が酷いと修理代が高く、パーツがあっても高額になる事があるのでひどくなる前に定期的にメンテナンスを行ってください、、、
分解が終わりカゴに入れ洗浄します。
洗浄中にケースの変色が気になるので落とします。
変色落としに集中していると、洗浄が終わっていました。
組立と注油を行っていきます。
テンプまで組んだら精度を調整します。
文字盤と針を取り付けてケーシングします。
その後時計の持続時間、1週間のランテスト等不具合がなければ完了です。
1950年代は薄型ムーブメントが流行したようで、9P(9p2)は同じ時期の1957年から製造が始まりました。
厚み2mmは当時の世界最薄だったようです。
ピアジェは現行モデルでも薄型時計を発売しているので、個人的には「薄型時計と言えばピアジェ」というイメージがあります。
ピアジェ オーバーホール ¥34,000~+TAX(部品代別途請求)
皆さまの時計の修理お待ちしております。