いつも当店をご利用頂き誠にありがとうございます。
新年早々、緊急事態宣言が発令され気が抜けない日々ですが、皆さま感染予防対策をしっかり行っていただき、ご体調崩されないようお気を付けください。
本年もよろしくお願い致します。
今回はカルティエ サントスデュモンのオーバーホールです。
キャリバーはフレデリックピゲのCAL.21です。
シンプルな2針でギョーシェローマンダイヤルが特徴的なモデルです。
サントスガルべとはまた違った雰囲気で、エキストラフラットという名の通りケースはかなり薄いです。
初期状態の精度を確認後裏蓋を開け、ケースからムーブメントを出して針を取り外します。
ケースが薄いので、ムーブメントはもっと薄いです。
比較的綺麗ですが顕微鏡で覗くと、4番車の石が汚れているのがわかります。
分解を進めていきます。
4番車単体を顕微鏡で覗くと、、、
上ホゾにサビが発生していました。
汚れを除去してみると、若干摩耗しくびれてしまっています。
このまま使用すると止まりや精度不良など、何らかの不具合が起こる可能性があるので交換します。
パーツがあって良かったです。
香箱受けも削れて地の真鍮が露出しています。
裏の巻き芯と接している部分も同様です。
受けや地板が削れているとリューズ(巻き芯)が抜けたり、ゼンマイが巻けなくなったりするなどの不具合が起こる可能性があります。
歯車やネジに比べると、受けや地板はパーツ自体が高いので取り返しがつかなくなる前にメンテナンスをお勧めします。
今回はそこまでひどくないので交換はしませんでした。
他に異常個所がないか確認しながら分解を進めていきます。
汚れが付着している箇所は手洗いで洗ってから、超音波洗浄します。
超音洗浄後、組み立て・注油を行います。
受けと地板が薄い為、ネジを強く締めると歪んでしまう可能性があるので、いつもより一層と慎重になります。
精度を調整し確認します。
文字盤と針を取り付けてケーシングします。
その後1週間のランテスト後、不具合がなければ完了です。
Cal21は、薄型手巻きムーブメントとして製造されたキャリバーで、パテックフィリップ(CAL.175)やコルムなど名だたる高級メーカーに提供されており、薄さや耐久性において当時の技術が詰め込まれた名機であり、構造の美しさにおいても定評があります。
弊社は現在、Thanks Sale and Thanks Gift / 5th Anniversary Fair を開催中です。
期間内に修理受付をさせて頂いた方は、オーバーホールが10%OFFとなります。
当たり前の話ですが、高級機だとしてもメンテナンスを怠っていると、部品が壊れて使えなくなってしまいます。
是非この機会にお気軽にご相談ください。
(フェア内容について詳細はトップページよりご確認ください。)
カルティエ(フレデリックピゲキャリバー手巻き)オーバーホール ¥34,000~+TAX(部品代別途請求)
皆さまの時計の修理お待ちしております。
Thanks Sale and Thanks Gift / 5th Anniversary Fair
期間:2021/1/16-2021/2/7