いつも当店をご利用いただきまして誠にありがとうございます。
こんにちわ。修理技師の永田です。
日中は暖かく夜は肌寒いこの時期は着る洋服に悩みます。
皆様もご体調にお気を付けください。
今回はヴァシュロン・コンスタンタンのCAL.1015のオーバーホールの作業風景です。
ローマ数字に2針のシンプルな組み合わせでケースも薄く、ドレス感満載の個体です。
ベースとなるのはジャガールクルトのCAL.895です。
895と1015を比べてみました。
見た目はほとんど変わりはないですが、1015の方がテンワが大きくなっています。
また895は4姿勢で調整されているのに対して、1015はテンワ・ヒゲゼンマイに温度変化の影響を受けにくい素材を使用し5姿勢の調整が施されています。
他にもチューンアップされている箇所もありますがマニアックすぎるので割愛します。
初期状態の精度を確認後ケースからムーブメントを取り出し、針・文字盤を取り外し不具合がないか確認しながら分解していきます。
薄型のムーブメントの為、1番受けの下に丸穴車・角穴車が配置されています。
歯車も欠けや摩耗、曲がっていたりしていないかなど確認します。
時計技師は、文字盤が取り付ける側を「裏」と呼び、テンプやアンクル・歯車などがある側を「表」と呼びます。
よくあるシースールーバックから覗く機械は時計技師から見ると表側という事になります。
なぜそう呼ぶのか正直わかりません!
ちなみに下の画像は文字盤を取り付ける側です。
特に大きな不具合は見当たらなく汚れを手洗いで落として超音波洗浄機で洗浄します。
洗浄が完了したら組立と注油をしていきます。
各所に注油をしテンプまで組み上げたら、精度調整をしていきます。
精度調整が完了したら、文字盤・針を取り付けます。
取り付けをしケーシングして1週間のランテスト後、不具合がなければ完了です。
今回は特に大きな不具合もなく元々の状態が良かったです。
1015に関らず薄型のムーブメントは部品単体だとさらに薄く、ネジを締める際に力が強すぎると曲がってしまったりするので気を使います、、、
でも薄い時計の方が装着感などを考えるといいですよね。
この個体はケースが適度な厚みで径も小さすぎず個人的にはいいサイズ感だと思いました。
それと前回のCAL.k2001も今回のCAL.1015もベースはジャガールクルト製です。
ブランドとしては一般的には知らない方も多いですが、高級メーカーの時計に多く搭載されていて縁の下の力持ち的存在です。
いや、、、影の支配者と言うべきか、、、、、、
ヴァシュロン・コンスタンタン手巻きオーバーホール ¥45,000~+TAX(部品代別途請求)
皆様の時計の修理お待ちしております。