いつも当店をご利用いただきまして誠にありがとうございます。
こんにちわ。江口時計店の修理技師の永田です。
曇天模様が続いていて気分が晴れない毎日ですが、今回は人気が高く当店でもお待ち頂いてる方が多いタンクルイカルティエ。
CAL.78-1のオーバーホール+ガラス交換の作業風景です。
カルティエ表記ではCAL.78-1と表記されますが、ETA社のCAL.2512-1というマストシリーズにも入っているムーブメントです。
いつも見かけるローマ数字よりスリムな表記になっていて珍しい文字板かと思います。
詳しくはストックリストよりご確認ください。
ケースからムーブメントを取り出し文字板を外します。
不具合がないか確認しながら分解をしていきます。
特に不具合は見受けられなかったのですが、顕微鏡で各パーツを点検中にガンギ車と呼ばれるパーツに錆のような汚れがついているのを発見しました、、、
どのパーツも錆が付いてしまうのはよくない事ですが、精度を出す為に重要なパーツですので綺麗に錆を落とし洗浄していきます。
(錆が酷い場合は交換することもあります。)
その他のパーツで汚れが酷い物も一緒に手洗いをしてから超音波洗浄機で洗っていきます。
洗浄中にガラスの交換をしていきます。
元々ついていたガラスは傷が目立つので、新しいガラスと交換します。
紫外線で固まる特殊な液を隙間が空かないように全体的に塗布し、紫外線を当てしばらく置いておきます。
そうこうしている間に洗浄が完了したので組み立てと注油をしていきます。
手巻きのシンプルなムーブメントなので組み立てがしやすいです。
組み立て終わったら、精度調整をしていきます。
精度調整後、文字板と針を取り付けていきます。
最後にケーシングをします。
その後1週間のランテスト後、不具合がなければ完了です。
CAL.2512-1は所謂高級なムーブメントではないですが、CAL.78-1カルティエに搭載される為に通常よりも綺麗に仕上げが施されていて、安価な印象は受けません。
そして当店の在庫パーツも豊富ですのでメンテナンス面での安心感もあります。
それよりタンクルイカルティエってやっぱり上品でかっこいいですね、、、それに尽きます。
・Cartier手巻きオーバーホール¥25000~+TAX(部品代は別途請求)
・ガラス交換¥13000~+TAX となります。
皆様の大切な時計の修理お待ちしています。