2020/4/29
いつも江口時計店をご利用頂きまして、誠に有難う御座います。
本日のインスタライブも宜しくお願いいたします。
しばらく更新の滞っておりました、リペアアーカイブ。ご依頼の少ない今の時期を利用して、いつもは修理で大忙しの時計技師にコラムを書いて貰いました。私とは違った目線が、面白く内部にフォーカスした内容です。是非お楽しみ下さい。
オーバーホール IWC/Round Case Date Ref.1818 CAL.8541B
こんにちは。江口時計店の時計技師の永田です。
今回は当店でもご購入される方が多いオールドインター。
85系最終型のCAL.8541Bのオーバーホール作業風景です。
普段の記事に比べ内部の機械に焦点を当てたいと思います。
写真はオーバーホール前の写真。
長い時間メンテナンスがされていなく汚れ、サビが出ています。
裏蓋のパッキンもこの有様です.....
ケースからムーブメントを取り出し、不具合がないか確認しながら分解をしていきます。
大体のパーツを分解した所です。
ペラトン式自動巻の爪とローラーがついたユニットです。
ローターについているカムが両方向に回転することによってローラーが押され、ユニットが左右に動き、爪が中間車を一方向に回します。
分解した中を見る機会はないと思います。
CAL.8541Bにはハック機能も付いています。
リューズが引かれていない状態の時は、バーが上に押されテンプに接触しないようになっていて、引かれた状態だとバーが下に降りてテンプに接触して動きを止めます。
汚れがこびりついている部分は洗浄機の洗いだけでは不十分なので、直接ブラシで手洗いをしてから洗浄機に入れます。
洗浄が完了したら組み立てと注油をしていきます。
ベースを組み上げたら精度を調整します。
動作に問題がないか確認しながら作業を進め最後に針付けを行い、あらかじめ洗浄とサビ取りをしたケースにケーシングします。
新しくパッキンを交換し、ケーシング後にもう一度精度を確認してOKなら完了です。
完了後はランテストを一週間して終了です。
IWCはシンプルなフェイスが特徴的ですが、中に入っている機械もシンプルな構造です
個人的な感想ですがIWCは針がシャープで分針がインデックスまでしっかりとかかっていて時刻の確認がし易い印象です。
着用して使用する器機(道具)として素晴らしいと思います。
IWC自動巻オーバーホール価格¥37000+TAX~からとなります。(部品代は別途請求)
修理お待ちしております。