こんにちは。
今年の夏は本当に体に堪える暑さでしたね。
夏の疲れが出てくる時期ですので、皆様もくれぐれも体調にはお気をつけください。
久しぶりの修理投稿になります。
今回はRolex explorer1のオーバーホールになります。
メーカー様にて修理依頼をしたところ、裏蓋が開かないため修理不可で返却をされたとの事です。
ケースに肉眼でわかるほどサビが発生しているのがわかります。



通常通り裏蓋開閉器で開けようと試みましたが、固着が酷くまったく外れませんでした、、、、、
これはなかなか手ごわそうです。
色々と試して回してみましたが、びくともしないのでケースを温めて回すと何とか開きました!
※温める場合は文字盤にダメージが入ってしまう可能性があるため、お客様にはその旨をご了承のうえ進行させていただきました。


文字盤にダメージが入らなかったのでひとまず安心です。
裏蓋パッキンが劣化し溶けてしまって裏蓋・ミドルケースが接着されているような状態になっていた事と長年蓄積されたサビが原因で開かなくなっていました。
拭いたり汚れを除去して日常のケアをして頂き、可能であれば定期的にメンテナンスに出していただければと思います。
ムーブメントを取り出し、ケースパーツ・ブレスを分解しサビを落としていきます。





針と文字盤を外します。ここまでサビていたので、内部もかなりサビているかと思いきや、ムーブメントは比較的綺麗な状態でした。
しかし全て分解しないと完全には摩耗等の状態は確認できないので、パーツを確認しながら分解していきます。



一部のルビーにサビが発生しておりましたが、ホゾの状態はひとまずは問題なさそうでした。




アガキ(パーツ同士のゆとり・遊びの事)等も確認しながら分解していきます。
一部アガキを調整した方が良い箇所があったので、調整します。


分解が終わったら、超音波洗浄前に手洗いで洗浄もしていきます。




超音波洗浄中に、外装の洗浄も行います。

全ての洗浄が完了したら、組み立て注油をしていきます。




組立注油が完了したら精度調整を行い、文字盤・針を取り付けます。


ケーシングを行い、ランニングして完了です。

この度は、オーバーホールのご依頼をいただき、誠にありがとうございました。
お伺いしたところ、メーカー様でも修理対応が難しかったとのこと、ご不便をお察しいたします。
当店といたしましては、他店様やメーカー様で修理が難しいと判断された時計でも、可能な限りご対応できるように努めております。
しかし予期せぬリスクが伴う可能性がございます。作業を進めるには、お客様にこうしたリスクについてご理解・ご承諾をいただく必要がございます。もちろん、作業は細心の注意を払って進めさせていただきます。
再三で恐縮ですが、皆様の大切な時計が今後このような修理困難な状態になることを防ぎ、末永くご愛用いただくためにも、日頃からのこまめなケアと定期的なメンテナンスをお勧めいたします。
お客様の大事な時計が末永くご使用して頂ける様、お手伝いできればと思いますので、お困りの方はご相談ください。
遠方のお客様には配送修理も承っております。是非ご活用ください。
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修理のご依頼をお待ちしております。
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