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Patek Philippe/Calatrava/overhaul/Parts Making/cal.12-400/パテックフィリップ/カラトラバ/オーバーホール/パーツ製作/PART2

PART1からの続きです。

形を整えた後、パーツに適度な強度を持たせるために、焼き入れと焼き戻しを行います。まずは焼き入れです。赤くなるまで火で熱して水に入れると素材が硬くなります。

次は焼き戻しです。硬いままだと折れやすいので、温めて適度な柔らかさに戻します。深い青色が良い状態なのでそれを目指します。理科の実験みたいでなかなか楽しい作業です(・∀・)

ひと段落ついたので、もう一つのパーツを製作していきます。方法は最初のパーツと一緒です。ただこちらは残ったパーツが無いので、穴の位置をイメージしながらより慎重に製作していきます。

削っては合わせてを繰り返し、ここまでの状態になりました(;´Д`) 小さく細い為、作業中に何回か折れて作り直したのは秘密です(⋈◍>◡<◍)。✧♡

焼入れ焼き戻しを行いました。動作を確認してみますが、無事に使えそうです。折れなくてよかった、、、、あともう少しで完成です。

青い状態も新鮮でいい感じですが、仕上げを施していきます。まずは表面にヘアラインを入れます。

元々のパーツは角も面取りされていて、側面もヘアラインが入っているので同じように仕上げます。小さいパーツで保持がしづらいので、治具も製作してます。

やっと完成しました、、、、(ー_ー)!! 動作も改めて確認してみますが、問題なさそうです。

製作作業が終了したので、オーバーホールの続きを再開します。分解済みなので洗浄機に入れる前に、手洗いをします。

超音波洗浄機で綺麗になり、サッパリパテックになりました。組立と注油作業に入ります。ゼンマイを入れていきます。ゼンマイを入れる専用工具があるのですが、合うサイズが無かったので、手で入れていきます。

注油をします。完全に見えない箇所ですが、こんなところにもしっかりとペルラージュ仕上げが施されています。

続きの組立注油をしていきます。

精度も調整をしてokです。

プラスチック風防にキズがあるので、軽く磨きます。

文字盤・針を取り付けて、ケーシングします。その前に秒針が緩かったので締め直します。何回も取り外しされていると、どうしても緩くなってしまいます。

ランニングテストをして完了です。

今回製作したパーツが折れているとリューズを引いた時の感覚が軽く、針を回そうとしてもすぐにリューズが戻ってしまう症状がおこります。修理をしていてよく折れている事が多い箇所です。パテックフィリップに限らず、お持ちの時計で同じような症状があれば、是非一度ご相談下さい。

参考料金

・パテックフィリップ手巻き オーバーホール ¥55000~(税抜き)

・パーツ製作(裏押さえ部) 要見積り<形状により料金は変動しますが、最低でも¥60000~以上になります。予めご了承ください。>

お客様の大事な時計が末永くご使用して頂ける様、お手伝いできればと思いますので、お困りの方はご相談ください。
修理のご依頼をお待ちしております。