1904年、ブラジル人飛行家でありファッションリーダーでもあったアルベルト・サントス=デュモンが、三代目当主ルイ・ジョゼ・カルティエに「飛行中に時間を確認しづらい」と相談したことをきっかけに誕生したのが[Santos/サントス]です。懐中時計のように取り出す手間が不要な画期的な実用性を備え、世界初の腕時計として歴史に名を刻みました。
今回は、カルティエの中でも流通量の少ないモデル、[Santos Dumont/サントスデュモンSM]Ref.50472のご紹介です。サントスの意匠を受け継ぎながらも、小さいダイヤルに大ぶりなサファイアカボションリューズなど、ジュエリーウォッチとしての魅力を色濃く映した一本。カルティエらしい美意識が凝縮され、時代を超えて優雅な存在感を放ちます。特筆すべきは、6時位置にParis表記が無く、通常よりも力強い書体のローマンダイヤルと小ぶりな"CARTIER"レターなど、当時ならではの意匠を色濃く残した、ルイカルティエコレクション誕生以前の貴重な個体です。さらにケースサイドには、フランス製18金ゴールドを示す「鷲の頭」ホールマークが確認でき、カルティエがまだ宝飾商としての色彩を強く残していた時代の空気を感じさせてくれます。
ムーブメントは、手巻きキャリバー168/1を搭載。ベースとなるのは、1959年に名門ジャガールクルトが開発した薄型手巻きキャリバー818です。薄さと信頼性を高い次元で両立した名機として知られ、その設計思想は後年の超薄型ムーブメント開発にも大きな影響を与えました。当時のカルティエをはじめ、名門各社の高級ドレスウォッチにも採用された、黄金期を象徴するムーブメントの一つです。
レザーブレスには、カルティエ純正のクロコダイルレザーのシャイニーブラックをセッティング。貴重なイエローゴールド製のカルティエ純正Dバックルが付属しています。旧型のためサイズ調整ができない仕様ですが、手首周りに合わない場合は新たにベルトを製作いたします(納期:約1か月半)。
現行モデルにはない美しく優雅な佇まいに、希少なルクルト製ムーブメントを搭載し、内部にも当時のカルティエらしいこだわりが息づいています。宝飾商カルティエと名門ルクルトが手を取り合った、古き良き時代ならではの贅沢な逸品です。是非、店頭にてご覧ください。
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