廃盤メンズモデル
ルクルトのレベルソの誕生と同じ1931年に、タンクシリーズとして新たにデザインされた名作[Tank Basculante/タンクバスキュラント]。このタンクは“反転する”という意味を持ち、当時の腕時計としては画期的なデザインで、ルクルトのレベルソと同じ“裏返せるタンク”という面白さを感じさせるモデルです。
今回は、2001年に復刻された、Ref.2390のご紹介です。1970年代に展開されたルイカルティエコレクションにも含まれておらず、それ以前にも復刻されていないとされる、珍しいモデルと考えられます。アールデコの美意識を感じさせるステンレス製ケースは幅25.5mmと存在感があり、12時位置の大ぶりなサファイアカボションが印象的なデザインです。ギョウシェ加工が施されたホワイトローマンダイヤルやブルースチールハンドなど、カルティエ伝統のディテールを受け継ぎながら、ケースが反転するユニークな構造が魅力です。
ムーブメントは、CPCPコレクションにも採用された高級手巻きムーブメント、[Frederic Piguet/フレデリックピゲ]製キャリバー060を搭載。フレデリックピゲは、かつてパテックフィリップの名機のベースキャリバーも手がけた名門マニュファクチュールで、カルティエのダブルCロゴが受け板に刻まれるなど、細部にまでこだわった仕上げが特徴です。現在はブランパンに統合され、製造拠点は「ブランパン マニュファクチュール」として運営されています。名前こそ消えたものの、その高度な技術と伝統は、今もブランパンの時計づくりに受け継がれています。
レザーブレスには、カルティエ純正のクロコダイルレザーのマットブラックをセッティング。ステンレス製のカルティエ純正Dバックルも付属しています。
カルティエならではの遊び心とクラシックな美しさが融合した、大人の装いにさりげない格を添える逸品です。是非、店頭にてご覧ください。
ご委託品のため、オーバーホール後のお渡しとなります(約2か月)。