1837年に高級馬具工房として創業し、1927年にジュエリーラインをスタートしたエルメス。その100年を超える歴史の中で、シェーヌ・ダンクル(Chaîne d'Ancre)は誰もが知るアイコニックなコレクションとして、人々の憧れであり続けています。同コレクションは1937年、当時エルメスの代表を務めていたロベール・デュマ氏が、海岸を散策中に錨の鎖から着想を得て誕生したとされています。
今回ご紹介するアイテムは、そんなシェーヌ・ダンクルのアンカーリンクを使用した「クレッシェンド」です。クレッシェンドは、2001年よりエルメスのジュエリーデザイナーに就任したピエール・アルディ氏によって手掛けられたとされています。彼の革新的なデザインアプローチにより、クレッシェンドは非常に斬新なデザインとして注目を集め、廃盤となった現在でも高い人気を誇るコレクションのひとつです。
その名前は音楽用語の "Crescendo"(クレッシェンド:「だんだん強く」)に由来するとされており、コマのサイズが徐々に大きくなる独特のデザインが特徴です。特に、シェーヌ・ダンクルのコマが使用されたクレッシェンドは極めて珍しく、希少性の高いアイテムとなっています。
ホールマークはミネルヴァ、AG925の刻印から素材はスターリングシルバーであることが確認でき、ロザンジュのメーカーズマークやブランドロゴの刻印から、このアイテムが2000年代初期のものであると推測されます。ネックレスとしてはもちろん、2連巻きのブレスレットとしてもご使用可能。エルメスの卓越したクラフツマンシップと革新性を象徴するこの逸品を、ぜひ店頭でお確かめください。