廃盤メンズモデル
1955年に誕生した、ドイツ語で「エンジニア」を意味する[Ingenieur / インヂュニア / インジュニア]。これまで一貫して高耐磁性を謳う「インヂュニア」は、そのカテゴリーにおいて象徴的な存在となり名声を築きました。2023年に新作が発表されたことで非常に多くの注目を集めたこの時計の魅力は、耐磁性だけにとどまらず多岐にわたっています。
今回は、1989年から1993年の短期間のみ製造された[Ingenieur SL 500000 A/m /インヂュニアSL 500000 A/m]Ref.3508のご紹介です。最大の特徴は、ジルコニウム合金製ヒゲゼンマイを採用することで高い耐磁性を実現し、ケースサイドには誇らしげに"500.000A/m"と刻印された貴重なモデル。生産性を度外視して膨大なコストをかけたため、数年後には廃盤となり、オールステンレスモデルはブラックとホワイトダイヤルを合わせて614本と言われる、非常に珍しい存在です。
ムーブメントは、キャリバー37590を搭載。最大のムーブメントメーカーETA社が展開した、スイス時計の歴史の中で最高の万能機と言われる、自動巻きキャリバー2892-A2をベースとしたムーブメントです。さらには、ドイツ・シュトラウマン研究所で開発された特殊合金を採用したことで、軟鉄製のインナーケースを廃止しながらも完全な耐磁性を実現。その構造は、裏蓋の"BUND"刻印にブラックベゼルが特徴の西ドイツ時代の軍用モデルの名作、ポルシェデザイン・オーシャン2000にも採用される程の高い耐磁性能を誇りました。
ブレスレットには、ケースと一体化したH型リンクのステンレスブレスをセッティング。手首の形状に沿って絶妙に可動するため、心地良いフィット感を得られます。ケース径は34mmで、厚みが9mmと小ぶりなサイズから「スキニーインジュニア」とも呼ばれています。ビス留めされたベゼルや一体型ブレスレットのラグジュアリースポーツウォッチという点からも、[ジェラルドジェンタ/Charles Gerald Genta]の特徴が色濃く受け継がれたタイムピース。さらには、メーカー純正ボックスも付属し、大切に扱われていた事が伺える一本を是非店頭にてご覧ください。2022年の1月にコンプリートサービス行い、精度、状態共に良いコンディションでダイヤル・針が交換されている為ルミノバ夜光となっております。