廃盤メンズモデル
スイスの時計師アブラアン=ルイ・ブレゲによって1775年に創業された時計メーカー[Breguet/ブレゲ]。彼は1823年に亡くなるまでに、現代の時計に不可欠な数多くのメカニズムを発明したほか、手彫りのギョーシェ模様やブレゲ針、ブレゲ数字といった独自の美しいデザインも確立しました。彼の技術と美学は、現在の腕時計に搭載される機構のおよそ70%に関与しているとも言われ、時計史において偉大な功績を残した人物です。
今回は、「大西洋横断」を意味する名を冠した自動巻きクロノグラフモデル、[Type XX Transatlantique/タイプXX トランスアトランティック]のご紹介です。民間航空や長距離フライトを想定して開発されたモデルで、実用的なデイト機能を搭載しています。ダイヤルは、3時位置に15分積算計、6時位置に12時間積算計、9時位置にスモールセコンドを配置した視認性の高いレイアウト。ケース全体は鏡面仕上げで、側面にはブレゲらしいコインエッジ装飾が施されており、細部まで丁寧に作り込まれた上品な印象です。
ムーブメントは、自動巻きキャリバー582を搭載。[Lemania/レマニア]製キャリバー1350をベースに、計測中でもボタンひとつで瞬時にリセットと再計測が可能な高度なフライバック機構を追加した、ブレゲ専用設計のムーブメントです。1884年創業のレマニアは、クロノグラフや複雑機構に特化した名門ムーブメントメーカーであり、2003年にブレゲに吸収合併された後も[ブレゲ・マニュファクチュール]の主力工場として、その伝統と技術が受け継がれています。
ブレスレットには、イエローゴールド製のブレゲ純正ブレスをセッティング。当時の純正ボックスと保証書なども付属しており、この時計が大切に保管されてきたことが伺えます。
機能美とラグジュアリーを兼ね備え、バランスの取れた魅力的な時計です。是非、店頭にてご覧ください。