廃盤メンズモデル
1955年に誕生した、ドイツ語で「エンジニア」を意味する[Ingenieur / インヂュニア / インジュニア]。これまで一貫して高耐磁性を謳う「インヂュニア」は、そのカテゴリーにおいて象徴的な存在となり名声を築きました。2023年に新作が発表されたことで非常に多くの注目を集めたこの時計の魅力は、耐磁性だけにとどまらず多岐にわたっています。
今回は、1993年から2001年まで生産された[Ingenieur SL/ インヂュニアSL]Ref.3521のご紹介です。軟鉄性インナーケースで、外部からの磁気の侵入を可能な限り防ぐという構造になっており、非常に高い耐磁性を誇ります。ビス留めされたベゼルや一体型ブレスレットのラグジュアリースポーツウォッチという点からも、ジェンタデザインの特徴が色濃く受け継がれています。
ムーブメントは、ジャガールクルトの自動巻きキャリバー887/2をベースとした、キャリバーA8872を搭載。IWCの社内規格は非常に厳しいため、外部精度規格の[Chronometer / クロノメーター]認定を受けていないことが多いですが、こちらに関しては認定を取得した証の[OFFICIALLY CERTIFIED CHRONOMETER]が表記されております。また、この型番のみプラチナ製のローターが採用されており、所説ありますが、ジャガールクルトからの調達が厳しくなったことや、高コストにより約3年間で生産中止となったとされる希少な存在だと言えます。
ブレスレットには、ケースと一体化したH型リンクのステンレスブレスをセッティング。手首の形状に沿って絶妙に可動するため、心地良いフィット感を得られます。後年にダイヤルと針がメーカー交換されており、ルミノバ夜光に変更されております。同社の歴史を語る上で欠かせない存在といっても過言ではないタイムピースです。是非、店頭にてご覧ください。