廃盤メンズモデル
1919年にヨーロッパで生まれた機能的な芸術[Bauhaus/バウハウス]を基に、無駄のない美しさを時計のデザインに反映させたモデルRef.96[Calatrava/カラトラバ]。1930年代初頭にモダニズムの先駆けとして誕生し、革新的で美しさの光るそのシンプルなデザインは、私たちが想像する腕時計の形を定義づけたとも言われています。
今回は、1951年に製造されたローズゴールドケースのRef.96[Calatrava/カラトラバ]のご紹介です。通称"クンロク"と呼ばれ、30年以上にわたり製造され続けたロングセラーで、カラトラバの元祖的存在です。光の反射によって深みが生まれる真珠の様なシルバーダイヤルに、ローズゴールド製の立体的なバレットインデックスが、印象的な存在感を感じさせる一本。特筆すべき点は、1960年代前半までのパテックフィリップやヴァシュロンコンスタンタンなどに見られる、ダイヤルのロゴが盛り上がった[エナメル象嵌]であることです。彫金師がコンマ数ミリを手作業で削り、そこにエナメルを流し込み約900度で焼き固められるという稀有な製法が用いられたディテールです。
ムーブメントは、手巻きキャリバー12-120を搭載。薄型かつ精度と実用性に優れ、同社の様々なモデルに採用されました。愛好家の間では、後継機キャリバー12-400までが"オールドパテック"と呼ばれているので、名品の"原型"であることに間違いはありません。
今回の販売にあたり、メーカー修理明細とアフターサービスケース、2021年10月に取得されたパテックフィリップアーカイブが付属しているので、お買い上げの際にお渡し致します。
レザーブレスには、当店オリジナルのクロコダイルレザーのシャイニーブラックをセッティング。年代の整合性が合う貴重なローズゴールド製のパテックフィリップ純正尾錠も付属しているので、併せてご愛用ください。時代や流行に左右されることのない普遍的な美しさで、時を超越した魅力を纏った至高の逸品です。是非、店頭にて御覧ください。2023年10月にパテックフィリップにてオーバーホールが行われましたので、内部チェックは致しましたがメンテナンスは行っておりません。
24/6/24追記:メーカー修理の際にオリジナルダイヤルのアンタッチと認定を頂いたのですが、実物の文字がダブった様に見え、フォントが後期のレターに見えます。書き足しの修理がされた可能性が御座いますので、実物のご確認をお願い致します。