グランドセイコーは世界最高級の腕時計を作り出すという決意から1960年に誕生し、1967年に展開したモデル[44GS]より、グランドセイコーのデザイン理念[Seiko Style/セイコースタイル]を確立。"光"を最大限に意識し、日本の美を表現したと言われている、その美的感覚やシルエットは、現在に至るコレクションの多くに継承されています。

今回は、1968年から1975年頃にかけて製造されたグランドセイコーの最終モデル、Ref.5646-7010[56GS]のご紹介です。シリーズの中でも特に人気の高い、デイデイト仕様を備え、土曜日は青、日曜日は赤で表示されたセイコーの特長である実用性にも配慮されたモデルです。。ケースは、セイコー独自のデザイン哲学[GSスタイル]を完成させた時期ならではの造形です。鏡面研磨とシャープな面構成、そしてザラツ研磨によるエッジの効いたラインが、手元に確かな存在感を感じさせてくれます。完成度の高さから｢GS史上、最も愛されたシリーズ｣と称され、精度・耐久性・デザインの三拍子がそろった一本。1970年代の機械式自動巻腕時計を締めくくる最高級機として、その歴史的価値を感じさせてくれる貴重なモデルです。

ムーブメントは、自動巻きハイビート"28,800振動"のキャリバー5646を搭載。精度・耐久性に優れ、当時のセイコーが誇る高級機の象徴ともいえる一本です。

レザーブレスには、当店オリジナルのゴートレザーのネイビーをセッティング。

1975年、クォーツ時計が主流となることで、機械式グランドセイコーはこの[56GS]を最後に、一旦その歴史に幕を下ろします。｢いつかスイス製に負けない実用時計を送り出す｣という精神と誇りを受け継ぎ、数あるセイコーヴィンテージの中でも状態・仕様ともに際立った逸品。国産高級時計の到達点を示す、時代を象徴する名作です。是非、店頭にてご覧ください。