1856年、イギリス・ハンプシャー州ベイジングストークにて、トーマス・バーバリーが「T. Burberry & Sons」を創業しました。当初はアウトドア向けの衣類を手がけていましたが、1870年には品質へのこだわりと生地の革新により、大規模な小売店へと発展しました。1879年、バーバリーは「ギャバジン(Gabardine)」と呼ばれる高密度コットン生地を発明。この生地は耐久性・防水性に優れ、アウトドアウェアやレインコートに最適な素材として画期的な革新をもたらしました。1914年には第一次世界大戦の勃発に伴い、軍の要請を受けてトレンチコートを製造。 戦場での使用を前提に改良が重ねられ、機能性を重視したデザインが生まれました。戦後、その実用性と洗練されたデザインが一般市場にも広まり、バーバリーの象徴的なアイテムとなりました。
今回ご紹介するのは、1980年代ヴィンテージのトレンチコート。バーバリーのトレンチコートはコットン100%のギャバジン素材が主流ですが、本アイテムはポリエステル混紡ギャバジンを使用。軽量で耐久性があり、さらりと羽織れるのが魅力です。
本商品の裏地には、バーバリーでは珍しいウィンドウペーンチェック柄を採用。もともとチェック柄を裏地に取り入れたのは、汚れが目立ちにくく、上品な印象を与えるという実用的なメリットがあったためといわれています。また、当時の英国紳士の洗練されたスタイルにも調和し、次第にチェック柄はバーバリーの象徴的なデザインとして定着しました。本アイテムにはウール製のインナーが付属しており、1枚袖の仕様がヴィンテージコートならではの風合いをより一層際立たせています。ぜひ店頭にて実際に羽織っていただき、その魅力をお確かめください。