1837年に高級馬具工房として創業したエルメスは、1927年にエルメス初のジュエリーを発表しました。ラインスタート当初より、馬具や船の碇など、身の回りにあるデザインをジュエリーに落とし込んでおり、エルメスの多くのデザインは馬術や航海といったテーマからインスピレーションを得ています。1937年、当時エルメス代表であったロベール・デュマ氏が海岸を散策中に錨の鎖から着想を得たといわれている「シェーヌ・ダンクル」は、エルメスジュエリーの代表的なデザインとして広く知られるようになりました。
今回ご紹介するブレスレットは、そんなシェーヌ・ダンクルと同様に海を感じさせるアイテムです。特徴的なねじれた形状のロープをモチーフとしたデザインが、終わりのない連続性と調和を象徴しています。「Los Angeles ブレスレット」とも呼ばれている本アイテムは、非常に希少なヴィンテージ品であり、コレクション名が正確には不明のものになります。ホールマークは不鮮明ですが、おそらく蟹マークであることから、素材はSV800(シルバー800) × 18Kゴールド製と推測されます。また、留め具が差し込み式であることから、オリジナルのデザインである可能性が高いです。
立体感のあるフォルムは、ヴァンドームコレクションを彷彿とさせる職人技が光る仕上がりとなっています。エルメスのジュエリーは、単なるアクセサリーではなく、ブランドの哲学である「タイムレスなエレガンス」を体現した芸術作品ともいえるでしょう。ヴィンテージならではの味わい深い風合いと独特の存在感を兼ね備えた本アイテムは、シンプルな装いにもエレガンスを添えてくれます。現行モデルにはないディテールや、長い年月を経てもなお色褪せないデザインの美しさが、エルメスのクラフツマンシップを物語っています。ぜひ店頭で実際に手に取り、唯一無二の魅力をお確かめください。