1837年に高級馬具工房として創業したエルメスは1927年にエルメス初のジュエリーラインを発表しました。
1937年に当時エルメスの代表であったロベール・デュマ氏が海岸を散策中に錨の鎖から着想を得たといわれている、シェーヌ・ダンクルは1938年に登場してからエルメスジュエリーの代表といわれるようになりました。
今回ご紹介するアイテムはそのシェーヌダンクルの中でも女性らしい曲線的な雰囲気をもつ「シテール/Cythere」です。
南ギリシャの海に浮かぶ美しい島、「シテール島/Ile Cyther」から着想を得たであろうこのアイテムは、異なる2つの丸みを帯びたデザインの鎖を合わせたとても珍しいアイテムをなっています。
シテール島にはかつて「愛と美の女神ヴィーナス」が降り立ったという逸話が残されており、このブレスレットもエルメスを代表するシェーヌダンクルを再解釈したアイテムとなります。
また、シテール島にはひとつ言い伝えがあります。それは「独身の方が巡礼すると必ず良い伴侶に巡り合う」というもの。愛は誰かに与えるもの。どことなく直線的な鎖と柔らかな丸みを帯びた二つの鎖はシテールの名前に相応しいのかもしれません。