エルメスは1837年にティエリー・エルメスによって馬具工房として創業しました。当初、ブランドのパッケージカラーは落ち着いた色合いが主流でした。しかし、1940年代の第二次世界大戦中、包装紙の供給が制限され、従来使用していたベージュの箱を調達できなくなる事態が発生。代わりに手に入ったのが、オレンジ色の紙でした。やむを得ずオレンジ色の箱を使用し始め、これが意外にも顧客から好評を得ました。そして1945年には正式にブランドカラーとして採用された「エルメス・オレンジ」は、そんな偶然から生まれましたが、結果として現在ではラグジュアリーの象徴として世界中のファンに愛されています。
今回ご紹介するのは、そんなエルメス・オレンジを纏ったカシミヤニット・ジップアップカーディガン。ジップ部分には、エルメスのアイコニックなダイヤ型のレザー引手があしらわれています。こちらは機能性と職人技の象徴であり、形状の美しさはもちろん、使いやすさやエルメスのアイデンティティを反映したディテールのひとつといえます。本商品には「Made in GT. Britain」の表記があります。これはグレートブリテン(イギリス)製を意味し、スコットランドなどのカシミヤ名産地で生産された可能性が高いと考えられます。
エルメスは近年、サステナビリティにも力を入れており、2000年代から本格的に取り組みを強化。創業時から受け継がれる「長く使える高品質なものづくり」こそが、サステナブルな理念に基づくものといえます。柔らかく滑らかな風合いを持つ最高級カシミヤと、深みのある鮮やかなエルメス・オレンジ。その美しさは、エルメス独自の染色技術と厳格な品質管理のもとで生み出されています。洗練されたスタイルを演出するアイテムを是非店頭でお確かめください。