[Jaeger-LeCoultre/ジャガールクルト]。1833年にスイスの小さな工房から始まり、厳選されたメーカーにのみムーブメントを供給してきたマニュファクチュールブランド。ムーブメントの信頼性はもちろん、製造工程のすべてを自社内で行う姿勢が特徴で、時計業界において模範的なマインドを持つ一流メーカーとして広く知られています。

今回は、1950年代に登場したアラームリストウォッチ [Memovox/メモボックス] Ref.875.42のご紹介です。設定した時間になるとハンマーが細かく振動し、裏蓋に取り付けられたピンを叩いて音を鳴らす仕組みです。当時は「予定を思い出させ、通知し、起きる時間を教えてくれる」時計として注目を集めました。異なるケース素材や文字盤デザインが存在する中、こちらはステンレスケースで、シルバーとツートンのブルーダイヤルが経年変化によって綺麗なパープルに変わり、ヴィンテージならではの独特な存在感を醸し出しています。

ムーブメントは、自動巻きキャリバー916を搭載。同社が1970年に発表したこのムーブメントは、全回転ローターを採用し、2万8800振動/時というハイビート仕様が特徴です。右上のリューズでアラーム用ゼンマイを巻き、△マークでアラーム時刻を設定。時計の時刻調整およびゼンマイの巻き上げは右下のリューズで行います。ムーブメントの中央にアラームの振り子が設置され、スクリューバックケースの裏蓋中央の棒を叩くというユニークな構造が魅力です。

レザーブレスには、当店オリジナルのクロコダイルレザーをセッティング。デジタル時代において機械式時計のアラーム機能を楽しむことは、新鮮で遊び心を感じさせます。端正なデザインが手元をスタイリッシュに演出しつつ、ヴィンテージ特有の雰囲気を存分に味わえる逸品です。是非、店頭にてご覧ください。