廃盤ボーイズモデル
懐中時計を腕に装着するという発想がリストウォッチの始まりとされ、その実用性から腕時計への関心が高まりました。第一次世界大戦後には各国の軍隊が正式に腕時計を採用するようになり、特にオメガはイギリス軍との正式契約を結んだことで、多くのミリタリーモデルを製作。後に名機「キャリバー30」を開発し、オメガが世界的ブランドへと成長するきっかけとなりました。
今回は、希少な[Porcelain Dial/ポーセリンダイヤル]を使用したモデル、Ref.230543のご紹介です。ポーセリンダイヤルとは、陶磁器製の文字盤に絵付けを施し、釉薬をかけて高温で何度も焼成する製法で作られたものです。非常に手間がかかるため1920年代をピークに生産数が激減しました。経年による変色がほとんどない一方で、衝撃に弱くクラックが入りやすいため、無傷で現存している個体は極めて貴重です。この時計は、鮮やかなホワイトのポーセリンダイヤルに、ブルースチール加工が施されたブレゲ針、ブレゲ数字のインデックスを組み合わせた、非常に美しいデザイン。スモールセコンドも配置され、シンプルながらヴィンテージらしい趣を感じさせてくれます。
ムーブメントは、手巻きキャリバー26.5.SOB-T2を搭載。1926年から1941年までマイナーチェンジを重ねながら製造された名機で、キャリバー30が登場する1939年以前は、オメガの主力としてミリタリーモデルにも数多く採用されていました。
レザーブレスには、当店オリジナルのクロコダイルレザーのブラックをセッティング。ケース幅は30mmと小ぶりなサイズ感で、クラシックな雰囲気を好む男性はもちろん、女性にもおすすめです。
約90年前のヴィンテージモデルですが、ケース・ムーブメントともにコンディション良好で、経年を感じさせない品格と味わいを備えています。是非、店頭にてご覧ください。