私たちの日常に身に着けることの多い腕時計。
単なる“時を知る”というツールではなく、情趣のあるお洒落さを表現する素晴らしいアイテムと言えます。
お気に入りの時計を手に入れ、知れば知るほど愛着が沸き、生涯を通して使えるのが機械式時計です。“わかる人にはわかる、ハイグレードな腕時計を身に着けている”という喜びと同時に、芸術品を鑑賞する様な感覚を味わうこともできます。今回は、ほんの一部ですが、そんな機械式時計をご理解頂く為に、各部の名称や基礎用語などを解説させて頂きます。
皮革等の素材を使用したベルトのこと。金属素材の場合はブレスレットと呼ばれています。
ベルトを締めるための留金のこと。付属されたブランド純正のものもあります。
ブレスレットタイプの場合は、クラスプと言います。
ベルト、ブレスレットなどと時計の本体をつなぐ部分のこと、別名「足」とも呼ばれるディテールです。
ダイアルやムーブメント(機械)を収める箱。丸型や四角型など様々な形があります。
時計本体を外部からの衝撃、ホコリ等から守る外装部品です。
ダイヤルや外側にあるカバー・ガラス(風防)を固定する部分のこと。
ゼンマイの巻き上げや時刻、日付の調整に使うつまみのこと。
文字盤、フェイスとも言います。
ダイヤルに刻まれた時刻表示。バー表示やアラビア、ローマンインデックス等があります。
正円形
正方形型
長方形、角型
卵形、楕円形型
スクエアに丸みが帯びたもの
樽型で中央にふくらみを持つ
八角形型
種類の多くある針を知って頂く事も、腕時計を選ぶ大きなポイントです。
いくつか紹介させて頂きます。
先端がとがった棒状の針。
カルティエのシリーズで最も使われている針の形です。
万年筆の剣先の様な形の針。
老舗の高級時計によく使われています。
ドルフィンハンドの付け根をすぼめた形状の針。
先端が平らな棒状の針。
鉛筆の様な形状の針。
細長い葉のような形状の針。
クラシカルなドレスウォッチによく見かけます。
先端に輪の付いた形状の針。
ブランドのブレゲが使い始めたデザイン。他ブランドのクラシカルなドレスウォッチにも見られます。
風防の「素材」には、ミネラルガラス、プラスチック風防、現在の多くの高級モデルに使われているサファイアクリスタル等があります。ミネラルガラスは、強い衝撃を与えると割れたり、文字盤を傷つけるリスクがありますが、交換対応がし易いものとなります。
耐久性においては、特殊加工の施されたサファイアクリスタルガラス製が一番ですが、形状加工の難易度が高い為、主にフラット形状の風防となります。
それに対しプラスチック風防は、独特な形状で、柔らかく風格のある顔つきを演出してくれます。加工には外側がカーブしているタイプが「ドーム型」等、形状をつけることで割れにくく加工したことや、いま以上に高級品であった為、手間をかけて高級感を演出していた、とも言われています。70年代以前の多くのモデルに採用されていた、味わい深いクラシカルな温かみに、他と一線を画す素晴らしいディテールであると言えます。