TUDOR
PRINCE Oysterdate
Ref:7996
修理内容:リューズねじ込み不良、オーバーホール、外装仕上げ
アンティーク時計に有りがちなリューズのねじ込み不良での修理依頼でした。思い入れのある時計との事で、修理開始です。リベッドブレスの装着されたアンティーク時計らしい顔立ちで私も大好きなモデルです。
お預かりした時点から既にリューズがねじ込み出来ない状態でしたので、外して確認。リューズ側にねじ山が減っている場合には、高額なリューズ交換となる為、一番どきどきする瞬間です。
見た所、受け側のねじ山が減ってしまっている事が原因の様で、ほっとしました。新品パーツと比べると磨耗が良く解ります。
※ベストな修理は両方交換する事ですが、ロレックスのリューズの価格はどんどん高騰している為、安価で修理が出来る方法を選択しました。
古いパーツを外し、新しいパーツを装着。ここで問題発生。。。
5.3mmチューブをキチンと入れたのに、リューズがねじ込み出来ません。。
調べてみると。。
付いていたチューブ(写真右)と新しいチューブ(写真左)の内径が合わない事が判明。
リューズ自体の付け替えが過去にされており、リューズに合わせて内径を拡張した形跡があった為、ここからは特殊修理に入ります。
内径拡張の為に、ドリルでパーツを改造します。通常ですと交換工具で着脱が可能な切り込みが無くなり、ねじ込みが出来なくなるので、装着した状態で拡張を行いました。
無事、ねじ込み出来る様に成りました。
リューズ側のねじ山も綺麗に洗浄しましたので、今後も末永くご愛用頂けると思います。
アンティーク時計の場合、過去の修理やブランド毎に、現行品とは違う特殊対応が必要になる場合が多々あります。
ロレックスの修理の方が断然多いですが、チュードルも修理可能ですし、メーカー修理、純正パーツで全てを修理するとなると、この修理もかなりの高額になる事は間違いありません。
非常に喜んで頂けた内容でしたが、やはりキチンとした説明と、修理金額がメーカー修理に比べどれ位抑えられるかが重要だと改めて思った修理案件でした。
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