1837年に高級馬具工房として創業したエルメスは1927年にエルメス初のジュエリーラインを発表しました。1970年代にエルメスでは若者の間で流行ったパンクの安全ピンから着想を得た「シェーヌ・ダンクルパンク」として新たなラインが追加されました。こちらのドゥザノーリングは同じく70年代のものです。ドゥザノーとはフランス語で”二つの輪”という意味で、名前の通り二つの輪が重なったデザインになっています。70年代は、イギリスでパンクファッションが流行していましたが、フランスではフェミニズム運動の成功により女性のパンツスーツファッションが本格的に取り入れられるようになり、ドゥザノーリングはそんな働く女性が着用しても邪魔にならないスタイリッシュさと上品さを兼ね備えたデザイン。ゴールドとシルバーの組み合わせは一目で手元をゴージャスな印象にしてくれます。内側にある”HERMES”のフォントは珍しく、この刻印から70年代のオリジナルアイテムということがわかります。職人さんたちの技術が凝縮されている点もまたエルメスのヴィンテージジュエリーの魅力の一つです。