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腕時計を楽しんで頂く為の基礎知識

私たちの日常に身に着けることの多い腕時計。
単なる“時を知る”というツールではなく、情趣のあるお洒落さを表現する素晴らしいアイテムと言えます。
お気に入りの時計を手に入れ、知れば知るほど愛着が湧き、生涯を通して使えるのが機械式時計。
“わかる人にはわかる、ハイグレードな腕時計を身に着けている”という喜びと同時に、芸術品を鑑賞する様な感覚を味わうこともできます。
今回は、ほんの一部ですが、そんな機械式時計をご理解頂く為に、各部の名称や基礎用語などを下記の通り解説させて頂きます。

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各パーツの名称

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①ストラップ

皮革等の素材を使用したベルトのこと。金属素材の場合はブレスレットと呼ばれています。

②尾錠・バックル

ベルトを締めるための留金のこと。付属されたブランド純正のものもあります。
ブレスレットタイプの場合は、クラスプと言います。

③ラグ

ベルト、ブレスレットなどと時計の本体をつなぐ部分のこと、別名「足」とも呼ばれるディテールです。

④ケース

ダイアルやムーブメント(機械)を収める箱。丸型や四角型など様々な形があります。
時計本体を外部からの衝撃、ホコリ等から守る外装部品です。

⑤ベゼル

ダイヤルや外側にあるカバー・ガラス(風防)を固定する部分のこと。

⑥リューズ

ゼンマイの巻き上げや時刻、日付の調整に使うつまみのこと。

⑦ダイヤル

文字盤、フェイスとも言います。

⑧インデックス

ダイヤルに刻まれた時刻表示。バー表示やアラビア数字、ローマ数字で表記されたインデックス等があります。

ケースの形状の種類

  •  _396_http://eguchi-store.jp/eguchiwp/wp-content/themes/eguchi-store/images/svg/case_round.svg

    ラウンド

    正円形

  •  _990_http://eguchi-store.jp/eguchiwp/wp-content/themes/eguchi-store/images/svg/case_square.svg

    スクエア

    正方形型

  •  _720_http://eguchi-store.jp/eguchiwp/wp-content/themes/eguchi-store/images/svg/case_rectangular.svg

    レクタンギュラー

    長方形、角型

  •  _174_http://eguchi-store.jp/eguchiwp/wp-content/themes/eguchi-store/images/svg/case_oval.svg

    オーバル

    卵形、楕円形型

  •  _413_http://eguchi-store.jp/eguchiwp/wp-content/themes/eguchi-store/images/svg/case_cushion.svg

    クッション

    スクエアに丸みが帯びたもの

  •  _149_http://eguchi-store.jp/eguchiwp/wp-content/themes/eguchi-store/images/svg/case_tonneau.svg

    トノー

    樽型で中央にふくらみを持つ

  •  _805_http://eguchi-store.jp/eguchiwp/wp-content/themes/eguchi-store/images/svg/case_octagon.svg

    オクタゴン

    八角形型

腕時計の経過を示す針の種類

種類の多くある針を知って頂く事も、腕時計を選ぶ大きなポイントです。
いくつか紹介させて頂きます。

  •  _137_https://eguchi-store.jp/eguchiwp/wp-content/uploads/knowledge_img02.jpg

    バトンハンド

    先端がとがった棒状の針。
    カルティエのシリーズで最も使われている針の形です。

  •  _704_https://eguchi-store.jp/eguchiwp/wp-content/uploads/knowledge_img03.jpg

    ドルフィンハンド

    万年筆の剣先の様な形の針。
    老舗の高級時計によく使われています。

  •  _171_https://eguchi-store.jp/eguchiwp/wp-content/uploads/knowledge_img04.jpg

    アルファハンド

    ドルフィンハンドの付け根をすぼめた形状の針。

  •  _403_https://eguchi-store.jp/eguchiwp/wp-content/uploads/knowledge_img05.jpg

    バーハンド

    先端が平らな棒状の針。

  •  _278_https://eguchi-store.jp/eguchiwp/wp-content/uploads/knowledge_img06.jpg

    ペンシルハンド

    鉛筆の様な形状の針。

  •  _154_https://eguchi-store.jp/eguchiwp/wp-content/uploads/knowledge_img07.jpg

    リーフハンド

    細長い葉のような形状の針。
    クラシカルなドレスウォッチによく見かけます。

  •  _207_https://eguchi-store.jp/eguchiwp/wp-content/uploads/knowledge_img08.jpg

    ブレゲ針

    先端に輪の付いた形状の針。
    ブランドのブレゲが使い始めたデザイン。他ブランドのクラシカルなドレスウォッチにも見られます。

ヴィンテージの象徴、独特な形状が雰囲気を高める

風防の「素材」には、ミネラルガラス、プラスチック、現在の多くの高級モデルに使われているサファイアクリスタル等があります。ミネラルガラスは、強い衝撃を与えると割れたり、文字盤を傷つけるリスクがありますが、交換対応がし易いものとなります。
耐久性においては、特殊加工の施されたサファイアクリスタルガラス製が一番ですが、形状加工の難易度が高い為、主にフラット形状の風防となります。
それに対しプラスチックの風防は、独特な形状で、柔らかく風格のある顔つきを演出してくれます。加工には外側がカーブしているタイプが「ドーム型」等、形状をつけることで割れにくく加工したことや、いま以上に高級品であった為、手間をかけて高級感を演出していた、とも言われています。70年代以前の多くのモデルに採用されていた、味わい深いクラシカルな温かみに、他と一線を画す素晴らしいディテールであると言えます。

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素材について

腕時計を選ぶにあたり、素材はとても大きなポイントです。
大まかにまとめましたので、ご覧ください。

  •  _219_https://eguchi-store.jp/eguchiwp/wp-content/uploads/knowledge_img12.jpg

    ステンレススティール

    錆びにくく頑丈で、スポーツモデル等の多くのモデルに使われている素材です。

  •  _150_https://eguchi-store.jp/eguchiwp/wp-content/uploads/knowledge_img13.jpg

    イエローゴールド

    一般的に金色と言われる素材です。煌びやかで、アクセサリー等にも多く使われています。

  •  _774_https://eguchi-store.jp/eguchiwp/wp-content/uploads/knowledge_img14.jpg

    ホワイトゴールド

    高度な精製技術を必要とする、金をベースとした白色の合金です。プラチナよりも明るい白色で、さり気ない演出をするには、適した素材といえます。

  •  _64_https://eguchi-store.jp/eguchiwp/wp-content/uploads/knowledge_img15.jpg

    プラチナ

    錆びにくく、耐蝕性にも優れた天然の白い貴金属。白金とも呼ばれる最高級の素材です。

  •  _93_https://eguchi-store.jp/eguchiwp/wp-content/uploads/knowledge_img16.jpg

    ヴィルメイユ

    主にカルティエのマストシリーズに使われている、シルバーに金箔を貼りつけた技術です。

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    ゴールドプレート・キャップゴールド

    いわゆる金メッキ。厚く金を貼り付けた金張りと呼ばれるものもあります。

ムーブメントについて

機械式時計

機械式時計とは、ゼンマイを動力とする複雑な機構の2つの種類の時計のことを指します。
電池を使ったクォーツ式時計よりも、精度は劣り手間のかかることもありますが、壊れたから買い替える様な使い捨ての発想ではなく、オーバーホールや修理を繰り返しながら大切に使い続けることで、世代を超えて長く使用できる存在になっていくことに違いありません。

手巻き式時計

自分の手でリュウズを回しゼンマイを巻き上げる昔ながらの機械式時計。ほぼ毎回巻き上げをすることで、手間もかかりますが、使うほど愛着が増していくことが、手巻き時計の最大の魅力です。袖口に収まり易いスマートな印象の時計が多く、機械式時計を深く理解している"時計通"に愛用される印象です。

自動巻き式時計

オートマチックと呼ばれ、内蔵されたローターと言われる半円形の部品が、腕の動きによって回転し、日常の動作によって自動でゼンマイを巻き上げる為、着用し続けていれば基本的には止まることはありません。実用性が高く、現在作られている大半は自動巻き式時計となっています。

クォーツ式時計

現在最も一般的に普及している腕時計で、電池を動力源として動くのが特徴です。機械式腕時計と異なり、数日間使用しなくても止まることはなく、高い精度を保ち続けることができる、最も実用性の高い時計と言えます。

腕時計の基本用語

ダイバーズ・ウォッチ

高い防水性と、針や目盛りに蛍光塗料などが施され、潜水時間を計測できる回転ベゼルが付属した、ダイビング時に必要な要素を持った時計です。

クロノグラフ

車や飛行機等の速度を測る「タキメーター」、距離を測る「テレメーター」、脈拍を測る「パルスメーター」等の、様々な用途に使うストップウォッチ機能が付いた時計です。

GMT

グリニッジ標準時の略語。GMT機能とは主に複数の時間帯を表示できる機能のことを指します。

クロノメーター

スイス公式のクロノメーター検定所(COSC)の高度な精度検定に合格した時計を指し、高精度であることを表しています。

キャリバー

ムーブメントを特定する言葉。型番をつけて使用します。例;ロレックス キャリバー1570

パーペチュアル

永久自動カレンダー。時計メーカーによっては自動巻を指す場合もあります。

カボション

時計の世界ではリュウズの先にサファイアなどの宝石をセットした部分を指します。

※本来は、中世フランス語で「頭」を意味し、丸いドーム型に研磨された宝石のカット技法ことを言います。

ギョーシェ

高級時計のダイヤルに施された彫加工のことで、表情を豊かにする装飾です。

ブルースチール

職人の手作業により、摂氏300度まで加熱し「青焼き」の施された金属(ステンレス)のこと。
防錆や耐食性の効果があり、カルティエ等の針に多く用いられ、光の加減によって変わる色合いと独特な光沢感が魅力です。

機械式時計の使い方の注意事項

正しい扱い方と適切なメンテナンスを行えば、末永く生涯を通じて使えるのが機械式時計です。末永くご愛用頂く為のポイントをご紹介致します。

水に注意

たとえダイバー時計であってもすでに防水機能は保っていないと考える方が無難です。現行品であっても、メーカーによっては気密性を保つために1~2年に1度チェックする必要がありますので、定期的にチェックしていない時計に防水機能は無いと考えられます。
水回りや大雨時はご使用を控えて頂き、万が一水が入ってしまい放置しておくと、内部機構が錆びて修理不可になってしまう場合もあります。

衝撃に注意

機械式の腕時計は精密機械なので、落下や衝突を避けることは勿論、スポーツ中の着用は絶対に避けましょう。

磁気に注意

日常的に気を付けるのは携帯電話・スピーカー・電子機器・バッグなどのマグネットなど強い磁気を発するものと一緒に時計を保管しないことです。安全圏として10cm以上離しておくことを心がけましょう。
部品が強い磁気を浴びると、「磁気帯」してしまい、精度不良や作動不良の原因となります。コンパスを近づけてみて、針が大きく動くようなら「磁気帯」している証拠です。万が一磁気が入ってしまったとしても「磁気抜き」という作業ができますので、ご相談頂く事をお勧めいたします。

定期的なメンテナンス

時計には定期的なメンテナンスが欠かせません。
内部の機械には注油がしてあるのですが、古くなって酸化したり固着したりして、動作の妨げになり、パーツを傷めてしまう場合があります。その為、3~5年に一度オーバーホール(分解洗浄)を行うことをお勧め致します。

※お持ち込みでの修理対応や、オーバーホールも行っておりますので、お持ちの時計でのメンテナンスのこと等、何かございましたら、いつでもご相談ください。

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いかがでしたでしょうか。
アンティーク時計は、現代にはない趣のあるデザインなど、魅力に事欠きません。

その昔、教会や都市のシンボルから始まった時計は、懐中時計を経て、小型でより実用的な腕時計へと進化し、何世代にもわたる職人達が磨きあげてきた、”知恵と美意識の結晶”と言えます。

その中で、「時計にはこだわりたい」「人と被らないものが好き」という方には、是非アンティークの腕時計をお勧め致します。
風合いによって変わる1点モノで、全く同じものを手に入れることはできないという、一期一会の出会いが、さり気ないお洒落を表現できる、素敵なパートナーとなってくれることでしょう。

お客様にとって特別な1本となる時計を探しに是非ご来店下さいませ。
皆様にお会いできる事を楽しみにしております。