廃盤レディースモデル
戦争の時代となった19世紀後半から20世紀初頭にかけて、懐中時計を腕に取り付けられるように改造されたことから生まれた[Trench watch/トレンチウォッチ]。トレンチ(塹壕)とは戦争で兵士が攻撃から身を守るように作られた穴や溝を意味し、トレンチコートの語源としても知られています。それまで使用されていた懐中時計のように、服から取り出す等の手間をかけなくても時間を確認できるようになり、一般的に腕時計が普及するきっかけとなりました。
今回は、[Porcelain Dial/ポーセリンダイヤル]を使用したトレンチウォッチモデル、Ref.428のご紹介です。ポーセリンダイヤルとは陶磁器製のダイヤルで、絵付けを行い釉薬をのせて高熱で何度か焼成する製法のため、非常に手間がかかり、1920年代をピークに生産が激減。経年劣化による変色がほとんど無いのですが、衝撃に弱いため、クラックが入らず綺麗な状態で現存している個体は、とても貴重な存在と言えます。現代のエナメル製法とは違った、鮮やかなホワイトダイヤルに、ブルースチール加工が施されたペンシルハンドが輝き、スモールセコンドも配置され、ヴィンテージならではの雰囲気を醸し出す一本です。
ムーブメントは、手巻きキャリバー10 1/2を搭載。当時、多くのモデルに搭載され、人気の高いバブルバックのベースムーブメントとして知られた、信頼性の高いムーブメントです。
レザーブレスには、当店オリジナルクロコダイルレザーのシャイニーブラックをセッティング。ヴィンテージでしか手に入れる事の出来ない素晴らしいデザインで、もう少しで製造から100年を迎える、時計の歴史的にみても貴重な個体です。是非お手にとってご覧ください。