廃盤メンズモデル
「Universal Geneve / ユニバーサルジュネーブ」の時計と言えば、トリコンパックスやマイクロロータームーブメントですが、スカンジナビア航空のコペンハーゲン→ロサンゼルス間の最短飛行に成功した事を記念し、北極点(North Pole route)を経由していたことに由来して作られた「Polerouter / ポールルーター」も外せないシリーズの一つです。
今回は、多くの腕時計をデザインしたジェラルド・ジェンタ氏による初期の名作、Ref.10234-3のご紹介です。オーデマ・ピゲやパテック・フィリップ、IWCのインジュニア等の仕事をする20年近く前に、ユニバーサルジュネーブが無名だった23歳のジェンタにデザインを依頼し、その後この時計により大きく知れ渡る存在となります。デラックスという名前の通りラグ等の全体的な曲線がエレガントを演出し、素材はイエローゴールドケースとインナーベゼル式ゴールドインデックスに、鏡面仕上げを施した美しいデザイン。そして特筆すべきは、ブラックミラーダイヤルが経年変化による通称"トロピカルミラーダイヤル"となり、独特な存在感を醸し出しているモデルであることです。ミラーダイヤルは経年変化により茶色く褪色するものはとても少なく、"石模様"の様に程よくムラのあるブラウンに変色し、ゴールドとの絶妙な色合いを演出した唯一無二の存在。正に"奇跡のモデル"と言えます。
ムーブメントは、スカンジナビア航空用に造られたモデルの初期型「Bumper Movement / ハーフローター(バンパー)」式自動巻きキャリバー138SSを搭載。1955年に新しいマイクロローターのキャリバー215が開発されるまでの一年間と言う短い期間しか搭載されませんでした。振った際にコンコンという振動とサウンドが魅力で、現代には無い貴重なディテールです。
レザーブレスには、当店オリジナルのクロコダイルレザーベルトのブラウンをセレクトしております。時計業界の人気デザイナーの始まりの一つと言える大きな存在のモデルが、経年美化を果たしたことで更なる存在感を演出した素晴らしいモデルです。是非店頭にて御覧ください。